前回、全体の加工を終えましたので、今回は塗装になります。
メルカバはシナイグレー一色のシンプルな機体で、2色や3色、スプリット迷彩なんぞありゃしませんので、ラクチン…だと思いましたが、機体の装甲板でも上面には滑り止め加工が施されており、リアリティを出すなら再現するのは必至となります。
そんなわけなので、まずは滑り止めの再現からいってみましょう。
滑り止めを表現するのに最も適してるのは重曹らしいです。
ここらへんはモデルグラフィクス誌で紹介されてたらしく、粉末がサーフェイサーを吸って固着し、粒の大きさも1/35にマッチしてるとか…
早速重曹(重曹のクリーナー)をふりかけ、筆を使って上面側全体にムラ無く散らせました。
散らせるだけだと、少し持ち上げたり傾けたりするとボロボロ落ちますので、サーフェイサーを吹きつけて固着させてみたところ、表面に独特のザラつき…と言うよりも重曹がサーフェイサーを吸ったか、重曹の周りにサーフェイサーが固着したのか何かしてランダムな大きさの粒が上面全体に敷き詰められました。
お次にシナイグレーを車体全体に塗装し、予備キャタピラ、牽引用ロープ、機銃を黒鉄色に、泥除けのカバーはつや消しのブラックを塗布してやります。
ウェザリングを施してないので中途半端にキレイな状態ではありますが、ラッカー塗料による塗装はこれで終了になります。
車体の色が単色なので、凄く楽しちゃった感がありますが、ここから汚しまくっていきます。
戦車はツルツルのテカテカだと現実味がありませんし、カッコいい兵器は汚れてナンボ!ですわ♪
今回は新しいテクニックとして、退色表現にチャレンジしてみます。
今までなら(特にMa.K.)、ウェザリングはエナメル塗料を使ってウォッシングしたりオイルや雨水の垂れを表現しましたが、今回は現在運用されてる兵器なので、よりリアルに仕上げる為に、装甲板が退色したような表現を施してみようと思います。
使用するのは油絵の具と油彩用の溶剤であるペトロールです。
この技法はミリタリーモデル(特にAFV)を作られてる方々のブログやHPを見てたら、必ずと言って良い程登場するテクニックらしく、僕も先人達のマネをしてみようと思ったわけです。
チャレンジ精神が必要だね!
はてさて、やり方は凄く簡単らしく、上の写真のように少量の油絵用絵の具を車体にランダムに配置します。
これが…
こんな感じになるわけですね。
このままだと極彩色になり、砂漠を縦横無尽に駆け巡ったり何かしおったメルカバのカラーリングからかけ離れてしまいますが、ペトロールを使って絵の具を車体上で混ぜながら全体に薄く、かつムラになるように伸ばしていきます。
当然、ところどころで絵の具が固着したりするので、ペトロールを含ませた綿棒でキレイにしながら…
…というような作業を経てメルカバに退色表現が施されて、よりカッコ良くなる姿を妄想しながら嬉々としながら筆を走らせるわけですわ。
すると…
車体がバキバキに割れました!
最初は瞬着で固定してたところが脱落したので、後で再接着しようと思って作業を進めてたのですが、砲は接着箇所とは関係ないところで折れ、各ロードホイールは軸の根元から折れ、苦労して組立てたチェーンカーテン付の砲塔後部のバスケットは軽く筆で触れたらボロボロと細い箇所から折れて脱落し、片側106枚をつなげて組立てたキャタピラは全てセメントだろうが瞬着だろうが、何で固定してようとお構い無しに全て脱落し、更に何枚かは真っ二つに裂けたり、ひん曲がったり…
シャーシ、砲塔ともにガチガチに堅かったのが、触ればペコペコと凹んで…
俺が凹む!
プラの成分と油採用絵の具かペトロールの成分の相性が悪かったようです。
もしくは無塗装の部分からペトロールが浸透し、プラの内部から破壊された…といった印象が強いです。
ここらへんはショックのあまり、写真はありません。
1ヶ月以上掛かって組立てたものが退色表現の工程、たった30分足らずで復旧が困難どころか完全に不可能な状態まで壊れてしまいました。
出撃する前に大破!
これはキツいです。
Ma.K.なんかも軸を折ったり、細いパーツを折ったりしましたが、何だかんだ言っても修正可能だったので完成までこじつけてました。
今回は成分的に破壊されたような変形があったり、脱落したけど紛失までしおったりと散々な状況になりましたので、修理/復旧は不可能と判断しました。
新しい技法を導入しようと思ったまでは良かったのですが、僕には荷が重いテクニックだったのかも知れません。
今となっては後の祭りですがね。。。
尚、組立てに失敗して放心状態になってましたが、油彩用絵の具は臭いが強く、就寝時に悪影響があると思ったので、破損した車体は半泣きになりながらビニール袋に突っ込んで、ガムテープで完全に密封して廃棄処分となりました。
勿体無いけど体を壊したら元も子もないので。
不本意ながらもメルカバの制作はこれにて終了となります。
…で、退色表現で苦渋を嘗め回して飲み干した散々な結果になりましたが、1/35スケールでどうしてもリベンジしたい気持ちで一杯になってます。
だからと言って戦車を作って、再び退色表現で失敗してバキバキに壊れたら色んな意味で立ち上がれない事態になりかねません。
なかば暴走気味で次、いってみます!
現在運用されてる兵器ではなく、やっぱSFでしょう!
(わけわからん理屈)
つーわけで、1/35 ガンヘッドでいってみよう!
パーティーやろうぜ、ガンヘッド!
(涙目)