「HELLSING」の作者・平野耕太先生による「DRIFTERS」を紹介します。
掲載誌はヤングキング・アワーズで、「HELLSING」と同じです。
他にもヤンキンアワーズは「TRIGUN MAXIMAM」や「ジオブリーダーズ」、「惑星のさみだれ」などの名作を輩出してます。
…で、「DRIFTERS」ですが、先日単行本の2巻がリリースされたばかりですが、面白い漫画で何か無いかと聞かれたら真っ先に挙げる作品です。
男なら読め!
そんな内容なんですわ。
当然、いかりや長介のドリフとは異なります。
勿論、走り屋が競い合うドリフトとも異なります。
ここでは本来の意味である「流れ者」がマッチするのですわ。
【あらすじ】
西暦1600年、関ヶ原。
島津の武将・島津豊久は自軍を逃がす為、徳川の武将・井伊直政を相手にしんがりを務めます。
大将首をを獲る為、部下と共に奮戦しますが、直政に痛手を負わす事が出来たものの逃げられ、豊久自身は重傷を負ってしまいます。
それでも島津へ帰ろうと山野を彷徨っていると、突然見知らぬ通路が眼前に広がってました。
通路には得体の知れない男が一人。
男は書類に何か書くと、突然豊久の前に扉が現れ、なす術も無く豊久は扉に飲み込まれるのでした。
更に豊久は見知らぬ森の中。
もうろうとした意識で夢と現実の区別が付かない状況で豊久を助け出したのは耳が長い子供達。
子供達は「ドリフターズ(漂流者)だ」…と。
…と、ざっくりと冒頭部分だけです。
簡単に言ってしまえば異世界に飛ばされた島津豊久の物語ですわ。
ただし、彼だけが漂流者ではなく他にも登場します。
【主なバカ3人組】
・島津豊久・・・島津の刀法と組手甲冑術の使い手。
実直で真っ直ぐな性格で礼儀に厳しい面がある。
人を戦に駆り立てる「狂奔」の才能がある。
「首置いてけ!なぁ!!」
・織田信長・・・豊久の傷の手当を指示した第六天魔王・織田信長。
眼帯してる知将。
豊久を王とするべく戦略参謀として活躍する。
「死んでたまるかクソボケ!!
こちとら謀反慣れしとるんじゃ!」
・那須与一・・・女性のような美形の美男子。
努力家で異世界の言葉を独学で習得する(片言だけど)。
史実の通り弓の名手。
「口開く前と後に源氏バンザイとつけろー」
…と、メインの3人がこんな感じです。
物語中ではバカ3人組とまで言われてますが、異世界で大暴れ中です。
平野耕太先生の作品は「HELLSING」でもそうですが、戦闘シーンが迫力があってカッコいいだけでなく、セリフまわしですらカッコいいのが特徴です。
更にはところどころにギャグも取り入れており、本作でのギャグ要員は意外にも織田信長だったりします。
「この天下の第六天魔王様々様に向かって
善きとかー悪しきとかー
最初に言い出したのは誰なの?
我こそ絶対悪よ!」
「まだソレやっとったのかアンタ」
それではこんな時代もへったくれもない3人組が大暴れとは何ぞや?
国盗り!
つまりは異世界の住人を率いて大軍勢に対抗する為に国盗りをおっぱじめます。
そこに参戦するのメンツも様々で、こちらをご覧になればメンツの凄さがお解かりになるだろうと思います。
…マイナー過ぎて解らん人はWikipediaで調べてみましょう!
この作品は残酷描写があるだけでなく、現代人の視点で考えるとえげつなく感じる考え方も多々あります。なので、可愛らしい女の子とキャッキャウフフな物語が大好きな人は受け付けられないかも知れません。
島津豊久は首を取ることにご執心だから、ついたあだ名が「妖怪・首おいてけ」だし。
物語も先が読めず、どのように漂流者たちが終結するのか見当も付きませんし、物語中での最新兵器にして最大戦力は菅野直の紫電改です。こういったものを目の当りにしたら侍達はどんな反応するのでしょうね?
ちなみに、ザ・サンダンス・キッド(西部開拓時代/ワイルドバンチ強盗団)のガトリングガンを目の当りにしたハンニバル・ガルカ(ローマ時代/カルタゴの雷光)が言いました。
「なにこれすごい
これくれ
ちょっとローマ滅ぼしてくる」
心配は無用かも知れません。